モデレーター: 磯崎新(建築家・都市計画家)
  浅田彰(京都大学経済研究所助教授)




第1回 2001年3月22日[木] 19時00分〜21時00分、開場18時00分

レム ・コールハース(建築家・都市計画家)
ショッピング/ラゴス/PRD/ローマ都市


コールハース氏が過去4年間ハーヴァード大学院で進めてきたプロジェクトは、現在最も革新的で刺激的な都市研究と言えるだろう。写真、データ、実地調査なども活用しながら、世界各地で都市のありようを支配し始めた新しい勢力の実態に迫る、壮絶な研究成果の全容。




第2回 2001年3月24日[土] 15時00分〜17時00分、開場14時00分

ハンス=ウルリッヒ・オブリスト(美術評論家、キュレーター)
都市の噂、都市の音


都市に暮らす人間は都市の音、都市の噂といったものを、日頃ほとんど意識しない。現代アートをリアルタイムに捉えるオブリスト氏は、音や日常空間のコネクティビティがもたらす都市の新しい醍醐味を、アーティストやミュージシャン達と追求してきた。こうしたコラボレーションにより、ライブ感の強いレクチャーを試みる。




第3回 2001年3月26日[月] 19時00分〜21時00分、開場18時00分

ステファノ・ボエリ(建築家・都市計画家)
ヨーロッパ:都市の新しい状況


今ヨーロッパ各地の都市の周縁では、曖昧で未定義の現象が散発している。それらは政治・経済・社会の変化によって生まれた「都市の新たな状況」としか言いようのないものだが、ボエリ氏は同時多発する小さな変化のさざ波に、ヨーロッパ変貌の大きなうねりへの徴候を見る。




第4回 2001年3月27日[火] 19時00分〜21時00分、開場18時00分

サンフォード・クインター(思想家)
アメリカとの契約――究極のアーバニズム


好景気と新保守主義に包まれたアメリカでは、地方都市に大きな変化が現れている。今まで論じられることの少なかった中部アメリカのヒューストン、マイアミ、フェニックス、ラスベガス‥‥。クインター氏は極端なまでにアメリカ的なこれらの都市を、資本主義と近代化の究極の姿として観察し、批評的に分析する。




第5回 2001年4月17日[火] 19時00分〜21時00分、開場18時00分

サスキア・サッセン(都市計画学。シカゴ大学社会学部教授)
都市――「地形が示すもの」と「空間と化した力」


世界の政治・経済構造の変化による都市の変容、そして「グローバル都市」の台頭をいち早く予測し、論じてきたサッセン氏。国家権力を超えた都市のネットワーク、中流都市の戦略的転換など、広い視野から立体的でリアルな都市論を展開してきた氏の最新ヴィジョン。




第6回 2001年4月25日[水] 19時00分〜21時00分、開場18時00分

アレハンドロ・ザエラ=ポロ&ファシッド・ムサビ
[フォーリン・オフィス・アーキテクツ (FOA) ](建築家)
マテリアル・シティ


都市の物質的な成り立ちを考え、物理的な構造として都市を捉えること―プログラムの構成ばかりが強調され語られる従来の都市論に対し、FOAは異義を唱える。近年手掛けた大規模なプロジェクトを通して、独自のアプローチを紹介するとともに、都市建築のオペレーションとメカニズムを分析する。




第7回 2001年5月8日[火] 19時00分〜21時00分、開場18時00分

ヘアート・ローフィンク (メディア批評家)
狂乱のあと――アムステルダムのメディア文化とデジタル都市


「自主」「自立」の意識が強いアムステルダムで1994年、ネット上の公共空間「デジタル都市」が誕生した。官民に属さない「第3の公共領域」の発足に自ら参加したローフィンク氏が、その試行錯誤を通じ、サイバースペースの「都市空間」がもつ可能性とジレンマを語る。




第8回 2001年5月16日[水] 19時00分〜21時00分、開場18時00分

塚本由晴・貝島桃代[アトリエ・ワン](建築家)
メイド・イン・トーキョーの風景


東京という都市の醍醐味とは結局何なのか?かつて様々な解釈が試みられては色褪せた。だが、今ほど東京への新たな視線が求められている時はないのではないだろうか。都市のすき間を読み替える住宅を設計するかたわら、掟やぶりの複合を果たした建物、首都高速道路、小さな小さな建物、渋谷のパブリック空間など、新鮮な切り口から東京を捉え、ガイドブックにしてきたアトリエ・ワン。塚本+貝島のコンビが、東京の風景の中から建築の状況をすくい取り、建築と都市の新たな可能性を論じる。




第10回 2001年6月4日[月] 19時00分〜21時00分、開場18時00分

セルジャン・ヨヴァノヴィッチ=ヴァイス(建築家、評論家)
失われた記憶?――ベオグラードの新しい状況


ユーゴの首都ベオグラードではこの10年間じつに様々なことが起こった。戦争が起こり、特殊な経済状況に置かれ、そしてグローバル化の波がひたひたと押し寄せ・・・。都市の記憶とアイデンティティを失った町は、それをドウ回復したらよいのか?そもそも失った都市の記憶とは?ヨヴァノビッチ=ヴァイス氏は混乱を極めるユーゴ都市の現状を独自の視点から報告し、グローバルな力を新しい都市の力に変えてゆくことを提案する。




第11回 2001年6月12日[火] 19時00分〜21時00分、開場18時00分

ミルトン・タン(シンガポール国立大学建築学部・助教授)
シンガポール:再考される情報ハブ都市


シンガポールの今日の繁栄は「海の港(シーポート)」→「空の港(エアポート)」→「情報の港(インフォ・ポート)」という段階的な発展によってもたらされた、と言うこともできる。あるいは「物理的なインフランストラクチュアの建設」→「徹底した組織のシステム化」→「あらゆる英知を結集しての改革」という進化のプロセスだったとも言える。いずれにせよ、なぜシンガポールはつねに生まれ変わろうとしてきたのか?「改革と企業家精神(アントレプレナーシップ)」をモットーとする都市国家とはいったい何なのか? そこにはどんな狙いと戦略があるのか? 今日我々が「都市」と呼ぶものは、将来どうなっていくのか?
シンガポールの都市開発に深く関わってきたタン氏が、ラジカルな変貌を図ってきたその足跡と未来への軌道について語る。主要な建築および都市デザインを通して見る、世界的にも例のないシンガポール独自の都市開発の足跡。マリーナ・サウス地区の新都心、新しい知の結集都市「ヴィスタ・サイエンス・ハブ」といった進行中の巨大プロジェクト。そしてそこから予測される未来のシナリオ。それがこれまでの常識を超えるシナリオであることは間違いない。




第12回 2001年6月21日[木] 19時00分〜21時00分、開場18時00分

姜尚中   (東京大学社会情報研究所教授/政治学・政治思想史)
吉見俊哉  (東京大学社会情報研究所教授/社会学・文化研究)
五十嵐太郎 (建築史・建築批評家)
森川嘉一郎 (早稲田大学理工学総合研究センター九州研究所客員講師/意匠論)
東京の現在位置 (New Urban Condition)


過去11回のレクチャーでは、ラゴス、ヨーロッパ、アメリカ、旧ユーゴ、シンガポールなど、世界で同時多発的に起こっている都市の大転換が、新鮮な視点で語られてきた。
では、東京の「New Urban Condition」は何だろうか? 東京という都市にはどんな力が作用しているのだろう? この大都市の魅力や問題については、ありとあらゆるビジョンが渦巻いている。政治的に論じられる「東京」、都市論や建築論のテーマとして語られる「東京」があり、写真やマンガ、アートの世界で繰り広げられる「トーキョー」があり、ストリートでは日々、都市の風景が塗り替えられている。
最終回では東京の都市空間をさまざまなポジションから論じあい、その「現在位置」を立体的に浮かび上がらせる。『グローバル化の遠近法』の共著者、姜尚中氏(政治学)と吉見俊哉氏(社会学)は、グローバル化という圧倒的な力の流れの中で、東京の公共空間がどのように作られ、どう変化してきたのかを異なる視点から論じる。また、若手研究者の森川嘉一郎氏(建築意匠論)は、東京の街の変化やサブカルチャー的な現象を通して、東京の風景をビジュアルに分析する。
狭い領域の中で終始していた東京の都市論は、ジャンルの異なる研究者たちの視線が絡み合い、ぶつかり合う中で、生きた議論へと刷新されるだろう。

●スピーカーはやむを得ない事情により変更する可能性があります。