連続レクチャー「オルタナティブ・モダン――建築の自由をひらくもの」
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開催主旨

開催主旨
モデレーター 小野田泰明(東北大学大学院工学研究科 助教授)
金田充弘(Arup Japan)
第1回 2004年2月25日[水]18:00〜20:30(開場17:30)
 伊東豊雄(建築家)
「生成するプロセスとしての建築」
設計プロセスにおいて複雑な形態の解析が可能となった現在、建築は、単純形態が予め全体像を規定する固定的な近代主義的方法から解放され、完成像をもつことなく状況に応じて変化に対応し続けるという、まさに絶え間ない生成を可能にするシステムを得た。それは、建築のかたちの未来をひらくと同時に、複雑で流動的な現代の都市や社会に、完結することなく呼応し続ける建築の可能性を包含するものかもしれない。 本講演会では「せんだいメディアテーク」以降、進行中のセシル・バルモンドとの未公開プロジェクト「コインブラのパビリオン」を含む作品を辿り、多様な現代社会とともに生き続ける建築の可能性を探る。
第2回 2004年3月23日[火]18:00〜20:30(開場17:30)
 青木淳(建築家)
「そもそも多様である、そもそも装飾である」
「多様な環境をつくるとは、どういうことなのか。それは、ひとつのつくりかたの枠内で‘多様である’ということではなく、そのような枠を外して‘そもそも多様である’ことを前提に建築をどうつくっていくか、ということであると思う。」 かつて青木淳は、人の動きとかたちとの関係をモデルとした‘動線体’という概念を生み出し、人が自由に動き回れる場をかたちにしようとした。今、青木は‘装飾’という古くて新しいツールを発見することで、モダンの操作対象であるスケールやモジュールを微細にコントロールし、経験するものの知覚に多様にはたらきかける。‘動線体’も‘装飾’もルールに過ぎない。そのルールによって生み出される空間は、様々な経験によって多様に定義し直される場となるのだろうか。
第3回2004年4月26日[月]18:00〜20:30(開場17:30)
 藤本壮介(建築家)
「新しい単純さ/新しい多様性をもとめて」
藤本壮介は、折れ曲がるわずか一本の線によって構成することで、弱い建築をめざしたいと語る。しかし、それはシンプルさゆえの力強さを感じさせると同時に、多様な表現を可能にしている。壁、床、柱、屋根といったモダニズムの分節体系を、反復する既存の単位として利用するのではなく、相互作用する部分と全体の新しい関係として、ゼロから組み立てなおすこと。藤本は、あえて一筆書きのような線の抽象性へと還元することで、近代の建築家が新しい原理を発明したときの強度を、再び希求しているのかもしれない。
本講演では、単純さと多様性が共存する、自然の豊かさと同質の建築をつくる試みをとおし、人工物の限界を押し広げる建築のつくりかた、そこでの体験のありかたを考える。
第4回 2004年6月29日[火] 18:00〜20:30(開場17:30)
 西沢立衛(建築家)
「関係性をめぐって」
西沢立衛は既成のビルディングタイプの概念や機能に縛られず、それらを独自の視点で再構成する。機能を単位に切り分けていくモダンの計画的アプローチでもなく、人の行為を直接デザインのパラメータにするのでもなく、他者・空間・プログラムなどが影響を及ぼしあう、様々な関係性をかたちで実現することを試みている。西沢の試みは、‘関係性’というキーワードで建築の新しい次元を切り開く。人の生活や社会の環境・状況は連続的に流れ、変化し続け、切り分けられない全体像を持つものである。西沢は、その流動的な営みと建築とを、柔らかに整合させようとしているのだ。時間や状況に沿って空間と空間が影響しあい、変形し発展していく建築とはどのようなものなのだろうか。
第5回 2004年7月5日[月] 18:30〜20:30(開場 18:00)
 五十嵐太郎(中部大学工学部建築学科 助教授)
 
小野田泰明(東北大学大学院工学研究科 助教授)
 
金田充弘(Arup Japan)
 後藤武(建築家)
※進行:磯達雄(フリックスタジオ)
シリーズ総括「建築の現在/オルタナティブ・モダンとは」
WEBレポーターの勝矢武之と三浦丈典による全回報告の後、上記4名がシリーズを振返り、オルタナティブ・モダンの意味や、これからの建築と社会のありかたについてディスカッションを行う。
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