世界の建築美術館・ギャラリー【WEB版】
アメリカ合衆国 詳細一覧
ガンド・ホール・ギャラリー
教授陣にもそうそうたる現役建築家がそろうハーバード大学の大学院建築デザイン学部は、学内のこのホールで定期的に展覧会を行っている。その内容は建築を支える理論的なものから、建築家個人のデザイン手法を解き明かすもの、歴史的な建築の史料をじっくりと見せるものなど、バリエーションに富んでいる。『ピーター・アイゼンマン: 記憶のゲーム』、『発想:エンリク・ミラーレス』、『ボストンとニュー・イングランドの地図史』、『アイリーン・グレイの作品群』、『エド・ラッシャの本』など、ここ数年の展覧会を顧みてもその広がりがわかる。展覧会開催に併せて発行されるパンフレットは、建築家と展覧会のエッセンスをおさえたレベルの高い出版シリーズにもなっている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ウェックスナー・アート・センター
オハイオ州立大学内にあるウェックスナー・アート・センターは、1993年に建築部門を設けた。大学のキャンパス内にありながら、センターは学生対象に縛られたものでなく、ダンス、パフォーマンス、映像作品などの発表の場として、西海岸、東海岸と並んで、中部アメリカの文化をリードする役割を担い、広く全米に知られる活動を行ってきた。
建築部門によるこれまでの展覧会には、建築家と評論家の10グループが、母子家庭やマイノリティ、ホモセクシュアル・カップルなど社会の周縁にいる人々の住まいを考えた『ハウス・ルール』、アメリカ都市の成り立ちを地勢的、社会的、文化的な歴史から考察して、その結果個人の経験がどうかたちづくられているのかを見せた『アメリカの都市をフレーミングする』など、実験的なテーマに挑んだものが目立つ。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
サンフランシスコ現代美術館(SFMOMA)
1935年に創立されたSFMOMAは、1995年にマリオ・ボッタ設計の新しい建物に移ったのを機に、現代美術を扱う施設としてはアメリカ西部最大規模になったという。現在SFMOMAが位置するサンフランシスコ市内の南東部地域は、槇文彦設計のイェルバ・ブエナ・ガーデン芸術センターやアンセル・アダムズ写真センター、カリフォルニア歴史学会などが集まった、サンフランシスコの新しい文化の中核地となりつつある。
SFMOMAでは、絵画・彫刻部門、写真部門、メディア・アート部門に並んで建築・デザイン部門のキュレーターを置き、恵まれた空間の中でアメリカ西海岸の社会文化的なバックグラウンドを反映した展覧会を企画、開催している。これまでの展覧会は『レベウス・ウッズ』、『マリオ・ボッタ』、『日常のモダニズム:ウィリアム・ワースターの住宅』など。またチャールズとレイ・イームズ夫妻の事務所の会議室をそのままコレクションとして所蔵しているほか、日本のデザイナー倉俣史朗による家具の有数のコレクターでもある。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
シカゴ・アセネウム
「スプーンから都市まで」というモットーのもと、デザイン芸術のあらゆる側面を広く一般人に向けて展示し、伝えるというのが、シカゴ・アセネウムの目標である。建築、都市をはじめとして、実に広い領域に関わる活動を展開している。『新しいシカゴのインテリア』、『シカゴのエーロ・サーリネン』、『シカゴ建築の写真』といったシカゴに根ざした展覧会のほか、世界各国からの巡回展も多く受け入れている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
シカゴ美術館
近代建築の遺産を誇る都市シカゴで、ここならではの特徴ある活動を繰り広げているのがシカゴ美術館の建築部門である。ここは、美術館にすでにあった膨大な建築の史料を有効に活用するために1981年に設立された。ダニエル・H・バーンハム、ルイス・H・サリヴァン、ミース・ファン・デル・ローエら、シカゴを舞台に活躍した建築家たちのスケッチやドローイング、そして建物の断片などを多くコレクションしている。
『ルイス・H・サリヴァン:建築装飾のシステム』、『シカゴの建築とデザイン:1923-93』、『カール・フリードリッヒ・シンケル: 建築のドラマ』といったユニークな展覧会のほか、老齢のシカゴ建築家たちの記憶を聴き書きするというプロジェクトも推進している。人間的な語り口から建築の歴史を記録しようという、たぐいまれなチャレンジには現在の建築に対する大いなる刺激が含まれているかもしれない。 美術館内には、1991年にスタンリー・タイガーマン設計による建築図面研究センターがオープン。建築研究者のための恵まれた環境を提供している。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
アーバン・センター・ギャラリー
アーバン・センターは、1885年に建てられた歴史的な建物ヴィラード・ハウスの中にある。アーキテクチュラル・リーグはここに本部を置き、このスペースを使って展覧会、講演会を行うほか、出版活動にも力を入れている。もともと数人の若い建築家によって1881年に組織され、建築家にとっての切実な問題意識を企画のスタートにしている。
展覧会では『生産的な公園計画: コミュニティの資源としてのウォーターワークス』、『飛翔する建築: 建物、コンピュータ、新しい複雑性』、『テクノロジーの想像力』といったテーマをこれまで扱ってきた。特徴は、提言性に満ちた視点を提供していること、また建築家の自主的なテーマ設定を重視していることである。
尚、アーバン・センターはニューヨークの都市・建築環境に対する運動を後押しするキャンペーン・オフィスも設置しており、エリス島の歴史的建造物や聖バーソロミュー教会の保存、空き地をコミュニティ公園に転用する運動などが成功している。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
コロンビア大学建築ギャラリー
コロンビア大学建築・都市計画・歴史保存学部大学院の学部長で建築家のバーナード・チュミが、ニューヨークという大都市に純粋に建築だけをテーマにしたギャラリーがないことを嘆いて、「それなら自分たちがギャラリーとなろう」と創設したのが、この大学内ギャラリーである。1990年4月にオープンした。キャンパスで最も古い建物であるビュエル・ホールとエイヴェリー・ホールにある3つのギャラリー・スペースを使って活動を行っている。これまでの展覧会は『ドグマなしのモダニズム: オランダの新世代建築家たち』、『ピラネージのランドスケープ』、など。学生の作品展を含め、平均して年間10企画以上の展覧会が行われ、同じテーマで講演会、出版なども並行して開催するなど、ニューヨークの若手建築界の羅針盤のような存在となっている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ストアフロント
ストアフロントは、小規模ながらも明快な発言力を持つギャラリーとして世界的に知られている。1982年に設立されて以来、アートや建築、都市問題の美的、思想的側面だけでなく、社会的、政治的、経済的な側面を掘り起こし、コンペや展覧会を行うラボのような性格を保っている。これまでの展覧会やコンペの例を挙げると、持たざる家を発案する『ホームレスのホーム』、使われなくなったミサイル・サイロ転用のアイデアを探る『プロジェクト・アトラス』、アメリカの貧民街が急速に拡大している実態を調査し、貧しい人々のための新しい住まいを考えた『ニュー・アメリカン・ゲットー』などがある。また、ディラー+スコフィディオ、川俣正、マイケル・ソーキンらの個展も行っている。
1993年にアーティストのヴィト・アコンティと建築家スティーブン・ホールがストアフロントのファサードをデザインするインスタレーションを行い、これが現在まで残っている。さまざまな四角に切り抜かれた開口部は、ドアであり窓であり、何よりもユニークな角地に立つこのギャラリーのサイト・スペシフィックな性質をより強めている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ニューヨーク近代美術館
1929年に創設されたニューヨーク近代美術館は、現在進行形の美術を歴史的なコンテクストの中でとらえる場を提供することを目的としてつくられた。1932年に建築・デザイン部門が設立され、装飾美術としてとらえることの多かった他の美術館と一線を画し、建築・デザインを世界で初めて独立した分野としてキュレーションとコレクションを開始する。
『ライト・コンストラクション』展など、建築の動きを吸い上げてひとつのテーマを呈示し、それがまた建築界へフィードバックされるというしくみを確立し、世界中の建築家に少なからず影響を与える最も注目度の高い美術館である。またミース・ファン・デル・ローエの2万点にも及ぶドローイングを所蔵し、さらに、日常的な大量生産品に美と革新性を見いだす目的で、3000点以上のインダストリアル・デザインのコレクションを有している。定期的に展示されるこうしたアイテムには、建築家にとって刺激的なものも少なくない。
出版と教育活動にも力を入れており、こうした活動をとおして、建築やデザインのテーマは、一般の人々に広く語りかけられている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
マイケル・イングバー・ギャラリー
ニューヨークという建築遺産に恵まれた都市をテーマにした作品のみを扱うという、はっきりした意図を打ち出しているのが、このマイケル・イングバー・ギャラリーである。作品は絵画やドローイング、写真などで、『クライスラー・ビルに挑んだアーティストたち』、『ニューヨークのランドマーク』、『ウォール街のイメージ』といったテーマを設けて、その度にさまざまな作家や作家グループの作品を展示している。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
マックス・プロテッチ・ギャラリー
マックス・プロテッチ・ギャラリーは、建築のドローイングを絵画や彫刻と同じ美術作品として売買しはじめた最初の画廊のひとつとして知られている。オーナーのマックス・プロテッチは、国務省の役人から画廊経営者に転身したという変わり種である。70年代終わりからは、現代美術に加えて建築ドローイングも扱うようになった。これまで扱った建築家は、マイケル・グレーブス、アルド・ロッシ、レム・コールハース、バーナード・チュミ、磯崎新、ピーター・アイゼンマン、ジョン・ヘイダックなど。ことにフランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエらの貴重な作品のディーラーとしても有名だ。建築ドローイングを扱うことについてプロテッチは、「その時代に大きな影響力を持ちながら、実作がほとんどない建築家は多い。後に大いに活躍する場合もあるが、彼らの考えはドローイングに込められている」と語っている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ハインツ建築センター
カーネギー美術館内にあるハインツ建築ギャラリーは、ことに19〜20世紀の建築関連のコレクションで知られ、ロバート・アダム、ヴィオレ=ル=デュク、フランク・ロイド・ライト、ポール・ルドルフらのドローイングを有している。そのほか、建築、エンジニアリング、ランドスケープ、家具、インテリア・デザインなどを広範な分野をカバーしながら、模型、図面、写真など多彩な方法で収集を進め、建築を研究するための環境づくりに努めている。
美術館の建物は1895年に建てられた古典様式で、館内にはホール・オブ・アーキテクチャーと呼ばれるスペースがある。ここには建築の柱やペディメンツ、断片のフルスケールのプラスター鋳型が150個近く展示され、壮観な空間である。展覧会は、イギリス王立芸術アカデミーとの共同企画となる場合も多く、アカデミックな色合いを帯びたアプローチのものが目立つ。ピッツバーグの建築的遺産と共に、建築史を顧みる理想的な環境と言えよう。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
SCI-ARCギャラリー
学内の教授や学生が自主的に企画を立て、南カリフォルニアのコミュニティ性を重視しながら活動を行っている。建築界の既存の方法を転換させるアイデアに満ちた内容をテーマとして、これまで『10万ドルで建てられる住宅』、『子供たちに教える建築』などのユニークな展覧会を行っている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
パーロフ・ギャラリー
1986年に学内のパーロフ・ホールに設立されたUCLAの建築ギャラリー。『ノイトラ建築の写真: ジュリウス・シュルマンの作品』、『もうひとつの住宅案:コーニッヒ・アイゼンバーグ作品』展、『建築を超えて:ドローイング、スケッチ、そして他のメディア』、『SOM』展などは特に注目を集めたものである。
ギャラリーでは建築学部長がオーガナイズするレクチャー・シリーズも定期的に行われ、学生や若い建築家を中心に聴衆を集めている。ギャラリー・スペースは学生のための実験場としても提供され、さまざまなインスタレーションが学生の手によってデザインされている。建築学生の意識を現在進行形で見るための、格好の場となっている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
フォーム・ゼロ
1994年にニール・デナーリの展覧会でオープンしたフォーム・ゼロは、建築家アンドリュー・リャングが主宰する建築ギャラリー兼ブックストアである。「かつてロサンゼルスにあった革命的な建築意識を、現代バージョンでつくり出していきたい」というのがリャングのメッセージである。彼にとってブックストアとギャラリーのスペース間には何の境界線もなく、両方が交じり合って知的な建築議論を起こす場としてさまざまな発信を行っていきたいと語っている。これまで開催した展覧会では、デナーリやモルフォシスら世界的にもその活動が知られる建築家に並んで、若いが実験的な思想にあふれた建築家の作品を意欲的に紹介している。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ロサンゼルス現代美術館(MOCA)
ロサンゼルス・ダウンタウンの開発地区カリフォルニア・プラザに位置するMOCAは、分館テンポラリー・コンテンポラリーと共に、ロサンゼルス市と開発業者によって共同運営される地域密着型の美術館である。建物は磯崎新の設計。カリフォルニア州の「芸術への1%」条例にのっとって、カリフォルニア・プラザ関連の企業がその収益の1%を寄付する方法で運営資金を得ている。
1979年に設立されて以来、建築展にも力を入れており、数々の企画は世界から注目を集めてきた。1945年から66年にかけてロサンゼルスで建てられた実験的な住宅プロジェクトを取り上げた『モダン・リビングの青写真:ケーススタディ・ハウスの歴史と遺産』、1950年代のロンドンで活動していたアート、建築、評論などのハイブリッドなグループを記録した『インディペンデント・グループ:戦後イギリスと豊かさの美学』、革新的なアイデアを持つ建築家たちが都市空間を再考する『アーバン・リヴィジョン:公共領域におけるプロジェクト』、『ルイス・カーン』展などの展覧会は、MOCA独自の視点を印象づけた。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
イギリス 詳細一覧
マシュー建築ギャラリー
エジンバラ大学建築学科内にあるマシュー建築ギャラリーは、エジンバラの建築界や一般の人々、学生に建築についての情報を提供し、興味を持ってもらうためにつくられた。スコットランドでは唯一の建築ギャラリーであり、建築関係者や、建築に興味を持つものにとっては貴重な存在である。運営にはエジンバラ大学の学生や教授が携わっている。年に7、8回行われる展覧会のうち、2回はギャラリー独自の企画である。これまでに、『二都物語』、『ジャンカルロ・デ・カルロ&パトコウ』、『シスコヴィッツ+コヴァルスキー』などの企画展が開催された。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ICA
主にビジュアルアートの展覧会や講演、パフォーマンスの上映を行う。建築に関する催しとしては、ケネス・フランプトンの講演や、都市空間を描いた映画の上映などがある。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
アーキテクチャー・ファウンデーション
アーキテクチャー・ファウンデーションは、現代建築をテーマとした展覧会と、都市に関するディスカッションの場を提供することを目的に、1991年に設立された独立組織である。
展覧会のテーマは多岐にわたるが、主に社会との関わりを意識し、特定の問題に焦点をしぼったものが多い。1991年に開かれた『ロスト・オポチュニティ・フォー・ロンドン』展では、1666年のクリストファー・レンによるロンドン再建計画から、1986年にリチャード・ロジャースが提示した「ロンドンのもうひとつの可能性」にいたるまで、ロンドンに関する多様な提案が紹介された。福祉団体と共同で「ホームレスの社会復帰のための施設」のコンペを行い、選ばれた案はバーミンガムで建設されている。
1996年には、21世紀のロンドンの建築環境をあらゆる側面から論じる公開フォーラム・ディベートや、ロンドンで最も貧しいサウスワーク地区のロンドン・ボローを再開発し、テムズ川沿いの公共空間を再生させるプロジェクトも展開。展覧会を行い、細部のデザインなどについて一般の意見を集めた。(レポート:マイケル・ホーシャム)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
英国王立建築家協会(RIBA)建築センター
RIBA建築センターは、建築史・現代建築をテーマに展覧会や講演を行っている研究センターで、1992年に設立された。展示テーマは、エンジニアリング、ランドスケープ・デザイン、環境問題、都市問題など、建築とデザインに関する広い分野から選ばれる。
定期的にレクチャーが行われ、一般向けにはイギリス内外の建築家が招かれ、彼らのデザイン・プロセスに関する講演や、現在および将来の都市や建築のあり方についての討論が行われる。プロ向けのレクチャーにはトーマス・ヘルツォーグやロン・アラッド、テリー・ファレル、アーティストのクリストらが招かれている。
さらに1930年代に建てられた文化財建造物であるRIBAビルや、周辺のさまざまな建築様式の建物を観察するツアーや、子ども向けのプログラムなどの活動も盛んである。これらの活動を通じて、今後も一般の人が建築の世界へアクセスできる機会を広げていく予定である。(レポート:マイケル・ホーシャム)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
AAギャラリー
AAスクールは、イギリスでは最も古い建築専門の学校である。既成の建築教育に飽き足らない、自立した教育を求める若い建築家たちによって1847年に創立された。1980年代にも、校長だった故アルヴィン・ボヤースキーが、教授に対する学生の評価を人事に反映させるなど、大胆な学校機構の改革を手掛けた。現在では都市問題、住宅、エネルギーと環境問題、歴史、建築保存など、建築に関わるあらゆる分野の教育を行っている。
出版活動も盛んで、建築家の作品集のほか年に2回『AA files』という雑誌を刊行している。ギャラリーではフレデリック・キースラー、ナイジェル・コーツ、ピーター・ソルター、江頭慎など、先鋭的な作品で注目されている建築家の個展を開催する一方、スペインの若手建築家のグループ展、南アフリカの公共建築など、興味深いテーマで建築の新しい様相を提示している。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
デザイン・ミュージアム
デザイン・ミュージアムは、ヴィクトリア&アルバート美術館での長い準備期間を経て、教育慈善団体のコンラン財団によって1989年に設立された。その白い建物は、「テムズ河畔のバウハウス」を自認している。建築コレクションは、デザイン・コレクション同様、創設者であるサー・テレンス・コンランのモダニズム精神が基本となっている。
通常展覧会はデザインに関するものが中心になるが、建築を扱う場合は個人にスポットをあてることが多い。『スタルクはデザイナーか?』と題された展覧会では、プロダクトから建築までこなすスタルクの建築模型を展示し、デザイン言語と建築言語とを近づけて見せた。また1992年の『アイリーン・グレイ』展では、グレイ作品の構造的な特質が取り上げられる一方、『CFAヴォイシー:ハート・アンド・ホーム』展などでは、小規模なデザイン・プロジェクトと建築との間の垣根を取り除いた。(レポート:マイケル・ホーシャム)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ヘンリー・ムーア・ギャラリー
英国王立芸術大学の敷地内にあるヘンリー・ムーア・ギャラリーでは全学科の卒業制作展のほか、『デヴィッド・ホックニー』展など学外の企画による展覧会が行われる。建築専門のギャラリーというわけではないが、総合的な見地から建築を取り扱う大学のギャラリーとして、重要なものといえる。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
オーストラリア 詳細一覧
ローレンス・ウィルソン・アート・ギャラリー
西オーストラリア大学内のこのギャラリーは、オーストラリア西部の文化的動向を一手に担っている感がある。1990年にオープンして以来、西オーストラリア地域のアーティストの作品を中心に取り上げてきたほか、世界の有数の巡回展、建築展の開催地点となってきた。独自企画の建築展の数は多くないものの、西オーストラリア地域で活躍した建築家に焦点をあてたユニークなものが見られる。1993年の『ジェフリー・サマーヘイズ』展は、50年代のアメリカのモダニズムをオーストラリアに持ち帰った建築家の軌跡をたどるものだった。建築学部の学生による展覧会も、ひんぱんに開かれている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
オーストリア 詳細一覧
ウィーン建築センター
世紀末の建築やコープ・ヒンメルブラウ、ハンス・ホラインらの前衛的な作品など、建築ウォッチングにはこと欠かないヨーロッパの古都、ウィーンの建築ギャラリーである。1993年にオーストリアの芸術文化省とウィーン市の都市計画局によって設立された。年に1度開催される「ウィーン建築会議」を主催するなど、精力的に活動している。これまでに開催された展覧会には、スロベニア建築の基礎を築いたイヴァン・ヴルニック、60〜70年代にブラジルで活躍したリナ・ボ・バルディらのものや、1600年以降のサラエボの町並みをドキュメントした写真展などがある。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
オランダ 詳細一覧
デルフト工科大学
100年以上の歴史を持つデルフト工科大学には、さまざまな団体があり、それぞれ出版、シンポジウム、展覧会などを企画している。特に1894年設立の「スティロス」は、1931年と36年にはル・コルビュジエの講演会を企画したという歴史のある学生グループで、その活動の幅の広さと規模は学生仕事と侮ることはできない。
例年国内外から多くの建築家を招いて講演会やシンポジウムを行い、それらに関連する本の出版をし、隔月でニューズレターも発行している。学生サークルのような感じや、オランダ国内の視点に縛られる傾向があるのは否めないが、「スティロス」はオランダの建築家にとって無視できない存在であることは間違いない。(レポート:吉良森子)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
オランダ建築博物館(NAi)
1993年に設立されたNAiは、19世紀以降の建築・都市計画のドローイング、模型などのコレクションを管理し、多くの展覧会・講演会を主催するほか、研究機関・出版機関も備えるヨーロッパ最大規模の建築博物館である。オランダでは比較的大きな町には、その地域の建築ギャラリーがあり、NAiはそれを総合的にまとめる役割を果している。
ヨー・クーネンがデザインしたNAiは、公園と町とが混じりあうコンテクストの中で建築的にも都市計画としても成功し、この公園はレム・コールハース設計のクンスタル、伝統あるボイマン美術館とともに、「ミュージアム・パーク」と呼ばれるロッテルダム市の文化の中心となった。
NAiは研究所や出版部門があるコレクション棟と、図書館や事務所があるガラスの高層棟のほかに、4つの展覧会を同時に行うことができる展覧会棟、エントランスやカフェがあるホールから成り、さまざまな活動が館内で多元的に関連づけられている。また年間を通じてのテーマも毎年決められ、単一テーマのもとに随時展覧会やコンペ、シンポジウムなどが開催され、1冊の本にまとめられることになっている。(レポート:吉良森子)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ベルラーへ・インスティテュート・ギャラリー
ベルラーヘ・インスティテュートは、英語を公的な言語とする大学院で、学生の半数は海外から来ている。また多くの講師が海外から招かれ、出版、レクチャー、シンポジウム、展覧会などを通じた学外との接触をカリキュラムの一環としている。一貫してコンテンポラリーな状況をテーマとし、現在もっとも注目されている建築家を世界中から、あるいは都市計画家を自治体から招いて、建築の現場で今実際に問題になっていることを投げかけることで、学生がそれぞれの方向を選択し、新たな建築の展望を提示していくことを目指している。
年間数十回の講演会が行われており、デヴィッド・チッパーフィールド、ベン・ファン・ベルケルら著名な建築家の名前が並んでいる。プロジェクトとしては、実際に進行中の郊外都市の都市計画家を招いて、今後の都市計画戦略の提案を行うといったリアリティのあるものから、記憶と場所、イマジネーションとランドスケープ、映画と建築といった抽象的なものまでさまざまである。建築学校としてこのような問題に対する実験的でシビアな結果を提示し続けていくことは、建築博物館の過去の建築作品を標本のように扱うやり方とは違った、生の迫力を発信する源といえる。(レポート:吉良森子)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
カナダ 詳細一覧
カナダ建築センター(CCA)
CCAは単なる美術館兼研究センター以上の見事なコレクションを収蔵し、そのコレクションは、15万冊の蔵書、2万点の図面、25万点の記録文書、4万点の写真へと膨らんだが、ユニークなのはそれらの相互関連性である。1点1点が別々に収蔵されているのではなく、たとえば「旅行」が建築家に及ぼした影響を調べたければ、都市ガイドに始まって、1544年にまで遡る印刷物、遠い外国のモニュメントを撮った昔の写真、日記、旅行スケッチといったすべてを閲覧することができる。また建築家の仕事がオリジナル・プロポーザル、当時の刊行物、その後の写真といったセットでまとめられている例もいくつかある。時の流れとさまざまな関連性の中で、建築家の思想がどう固まっていたのかを知ることができるのだ。CCAはモントリオールのランドマークとなり、カナダを世界的に有名にした。(レポート:アデーレ・フリードマン)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
スイス 詳細一覧
スイス連邦工科大学 建築史・理論研究所(gta)
gtaは、チューリッヒのスイス連邦工科大学(ETH)内にある建築の歴史・理論の研究所である。研究所付属のギャラリーがあり、照明など近代的な設備が完備した展示室の中に、古典様式の列柱とアーチが並んだ、建築の歴史と現在とを検証するのにふさわしい空間となっている。展示は教育的なものから回顧展、現代の作品まで多岐にわたり、これまでにルイス・カーン、ジェームズ・スターリング、ジョン・ヘイダック、エル・リシツキー、槇文彦などの個展が行われた。1860年以降のスイス近代建築の史料を誇る付属研究所保管庫の史料を駆使した『ブルンの機能主義建築』『1930年代のイタリアのコロニー』といった興味深いテーマでの展示は、その独自性が高く評価されている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
チューリッヒ建築フォーラム
1987年に建築家のフリッツ・シュヴァルツがこの協会組織を設立した。時代に即し、独立独歩で教条主義に陥らないというのが、このフォーラムの目標である。
『チューリッヒの都市計画』『破壊されたサラエボ』『ダブリンの若手建築家』『建築とエレベーター』など、広範囲のテーマでの展覧会のほか、安藤忠雄、デヴィッド・チッパーフィールド、ノーマン・フォスターらの作品を紹介するものや、チューリッヒの住宅プロジェクト、福岡の住宅プロジェクトなどの展覧会を主催してきた。著名な建築家だけでなく、無名な作品や、ほかで取り上げられることのない地味なテーマの展示も行われている。たとえば、フォーラムのこけら落としとなった『レディース・ファースト』展は、40人のスイスの女性建築家を扱ったものだった。
このフォーラムが行う都市デザイン・プロジェクトの展示や、コンペに関するディスカッションを通じて、建築についての一般の人の興味を満たすだけでなく、行政が一般市民の意見を聞くこともできる。チューリッヒ建築フォーラムは、建築界においても地域社会においても重要な役割を果たしている。(レポート:ロバート・カイザー)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
バーゼル建築博物館
バーゼル建築博物館は1984年にオープンした。展覧会は主に近代建築のパイオニアたちを扱っているが、若い新進建築家の紹介にも積極的に取り組み、ヘルツォーク&ド・ムーロンや、レム・コールハースも気鋭の建築家として認められ始めた頃、ここで展覧会を開いている。企画展のテーマは特にバーゼルに限っているわけではないが、結果的にそれらを紹介する機会が多い。バーゼルには20世紀初頭のものから昨年竣工したものまで、数多くの著名な近代建築があり、「スイスにおける建築の首都」と目されている。フランク・ゲーリー、ザハ・ハディド、安藤忠雄、ラファエル・モネオらによるヴィトラ社の建物はその一例である。
代表的な展覧会には、『エルンスト・ムーメンタラーとオットー・マイヤー』『バーゼルのモダニズム』『マリオ・ボッタ』『ウィリアム・レスケーズ』などがある。展示だけでなく、建築家の交流の場として、バーゼル建築博物館は博物館から情報センターへと進化している。(レポート:ロバート・カイザー)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
スウェーデン 詳細一覧
スウェーデン建築博物館
1962年にスウェーデン建築家協会によって設立された。これまでに、アスプルンド、アルド・ロッシ、フランク・ゲーリーらの個展のほか、『20世紀のスウェーデン建築』などの展覧会を開催してきた。またテーマを決めて建築を見学するツアーも実施し、ストックホルムの中心地にある50〜60年代の建築物や、アスプルンドが設計した図書館などの見学も行っている。ライブラリーでは独自のデータベースを構築しており、電話による問い合わせにも応じている。巨匠のプレゼンテーション用のドローイングからスケッチまで、100万枚のドローイングのコレクションも自慢のひとつである。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
スペイン 詳細一覧
カタルニア建築家協会
100年以上の歴史を持つカタルニア建築家協会のビルは、市街の中心地、バルセロナ・カテドラルの広場の向かい側にある。ピカソの絵で装飾されたこのビルは、1962年に建てられた。大きなガラスのファサードのある1階にギャラリーがあり、地下にカフェと建築・デザインの専門書店がある。上の階には協会事務所と研究所、会議室などが入っている。
展示は細い柱が立つ広々とした空間で行われる。『ニコラス・グリムショー』展の時はグリムショーのデザイン・エレメントを引用した台に模型が置かれた。また別の展覧会では床一面にグラフィック作品が敷き詰められるなど、展覧会ごとに展示装置も工夫されており、純粋にインスタレーションとしても楽しめるものになっている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
バルセロナ現代文化センター(CCCB)
1994年2月にオープンしたバルセロナ現代文化センターは、19,000平方メートルの敷地内に、4,500平方メートルという大きな展示スペースを持つスペイン有数の文化施設。周囲にはバルセロナ現代美術館やバルセロナ大学などの教育・研究施設がほぼ直線上に建ち、「文化の都市軸」を形成している。
CCCBの特徴は、「都市と都市文化」に焦点をあてていること。歴史、文化、現在の姿、未来への提案、技術・環境などの見地から都市を解剖し、都市のさまざまなありかたを発見してもらうことがCCCBの目的だ。これまでに空から見た都市の姿の変遷をたどる『都市:気球から衛星まで』や、ポスターや絵はがきに描かれたバルセロナのイメージから都市観の変化を見る『バルセロナのポートレート』、都市と作家の結びつきを探る『ジョイスのダブリン』などの展示が行われている。建築そのものだけでなく、音楽や映画、ビデオ・アートに現れた建築・都市を紹介する企画もある。他の文化施設との交流も盛んで、パリのポンピドゥ・センター、カナダの建築センターなど国外の有名な美術館とは、定期的に共同企画による展示を催してきた。 (レポート:カタリーナ・セラ+トーニ・セラ)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ドイツ 詳細一覧
ドイツ建築博物館(DAM)
フランクフルトを流れるマイン河沿いにミュージアム・ウーファー(美術館の河岸)と呼ばれる散策路があり、種々の美術館が立ち並んでいる。中でもDAMは、古い邸宅の内部を改造してつくられた4階建ての施設で、総床面積1,600平方メートルの空間では、常時複数の手頃な規模の展覧会が開催されている。
内部の設計はオズワルト・マティアス・ウンガースによるもので、「家の中の家」というコンセプトでつくられた展示空間は不思議な非現実性を帯びている。DAMが設立されたのは1979年。ドイツ芸術界のドン、ハインリッヒ・クロッツが精力的にコレクションを始めた。20世紀建築を中心に、建築家の作品展をはじめ、エコロジカルな視点からとらえた建築、都市計画をテーマの中心に据えた展覧会を開催している。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ギャラリー・アエーデス
クリスティン・ファイライスが率いる伝説的なベルリンの建築ギャラリー。1980年の『アリソン&ピーター・スミッソン』展を皮切りに、先鋭的な活動を続けてきた。100以上にもなる展覧会の中には、ジョン・ヘイダックの『リガ』やボレス+ウィルソンの『ミュンスター市立図書館』、リーベスキンドの『ユダヤ博物館』など、そうそうたる建築家の作品やプロジェクトに焦点をあてたものから、ベルリンの壁崩壊後の都市を展望するワークショップ『1+1=1 / ベルリンの縫い目』、環境問題を扱った『順応する建築』など、特定のテーマによる企画までさまざまなものがある。いずれもが、ベルリンという都市の歴史や東西冷戦などの政治的状況と絡み合う刺激的なものである。
旧東ベルリン地域にある「アエーデス・イースト」は、新しい世代の建築家のためのフォーラムを目指している。アエーデスは単に展示をするだけでなく、都市と建築を巡る議論の場として世界中から注目されている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
フィンランド 詳細一覧
フィンランド建築博物館
1956年に設立された、建築関係のものとしては世界で2番目に古い国立の建築博物館。館内での展示を企画するほか、フィンランド内外での展覧会の企画も行う。これまでにアルヴァ・アアルトやエーロ・サーリネンらを紹介する展覧会や、『日本建築とフィンランド建築の関係』をテーマにしたものなど、数多くの企画展を開催してきた。
展覧会のみならず、ライブラリーの3万冊の書籍や、13万点にのぼるフィンランド建築写真のコレクションによって、フィンランド建築をより多角的に知ることができる総合情報センターとなっている。これに加えて研究部門と出版部門とがあり、出版部門では企画展のカタログのほか、建築に関する書籍をフィンランド語と英語で出版する。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
アルヴァ・アアルト美術館
フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトの個人美術館。美術館自体の設立は1966年だが、現在の建物はアアルト自身の設計で1973年に完成した。白い壁と、木の肌との組み合わせがアアルトらしさを感じさせる。東向きの天窓や他の窓から、自然光が入るようになっている。隣接する中央フィンランド美術館もアアルトによるものである。
アアルトは自らの名を冠した美術館の建設にはあまり乗り気ではなく、建築・アートがさまざまな角度から展示される美術館を望んでいた。その意志を継いで、アアルト美術館ではアアルトの建築や家具、ガラスなどの作品を常設展示するほか、他の建築家の作品を展示する企画展を随時行っている。
アアルトの誕生日である2月3日には、毎年レクチャーなどで誕生日を祝うことになっている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
フランス 詳細一覧
パヴィヨン・ド・ラルスナル
数あるパリの美術館・ギャラリーの中で、パリ市の都市計画に関する展示を専門とする機関。広く一般市民のために「パリのアーバニズムと建築に関する最近の歴史や最新情報を伝える美術館」を設け、建築や都市計画におけるパリの優れた部分をアピールしようというものだ。
その自由闊達な活動ぶりは、パリの公的機関の中でも異色な存在である。『パリ:都市とそのプロジェクト』展、『セーヌ左岸ZACコンペ』展、『シュヴァルレ街からパリ13区にかけてのランドスケープ協議』展など、その活動は、単なるパリ市のプロパガンダとしてではなく、市民に対する真の教育活動であることが望まれている。市民に情報を与え啓蒙を図り、市民が建築や都市に関わる文化をよく知ることによって、むやみな反対行動や受身的な姿勢に陥らないようにすることが目的となっているのである。パリ市の未来に関して一般市民との対話を確立し、市のプロジェクトを理解してもらうことがパヴィヨンの最も大きな役割である。(レポート: ソフィー・ルレ)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
フランス建築インスティテュート(IFA)
現代建築を紹介し、そのありかたについて考えるという目的で、1980年の発足以来、展覧会、出版、資料収集・保存、教育活動と、主に専門家を対象とした建築に関わる普及活動を展開している。建築シーン活性化のための機関がまだなかったパリに、建築文化を育てるための専門的な文化施設として一手にその役割を担った。その後いくつかの組織がフランスにも誕生したが、IFAの活動がその先駆けとなったことは間違いないだろう。主な活動は、都市と都市学の研究、現代建築の資料保存と歴史の記録、展覧会の開催、そして定期刊行物やカタログの出版など。派手さはないが、現代建築の紹介をコンスタントに行っている。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
アルカン・レーヴ建築センター
19世紀末に建てられ倉庫として使われていた建物が、1980年アンドレ・プットマンのインテリア・デザインによって高い天井高と豊かな展示環境に改装され、フレンチ・モダンの洗練されたミュージアムに生まれ変わった。建物の大半は「ボルドー現代美術館」として利用されており、その中の約1,200平方メートルのスペースが建築センタ−として建築専門の展示を行っている。
アルカン・レーヴは、建築・デザイン・ギャラリー、教育用アトリエ、建築・都市研究所の3つのスペースからなる。建築・デザイン・ギャラリーは、建築/デザイン 、グラフィック/ランドスケープ/都市という大きなふたつの軸を基本にプログラムがたてられている。また、教育用アトリエは、コミュニケーション・スペースとして、感覚による発見や経験を刺激するインスタレーションやアニメーション、幼児向けのアトリエ、建築名所めぐりなどユニークで楽しい仕掛けがなされている。建築・都市研究所は、特に地方自治体や各種建設公団などの施主を対象に、再開発に関する助言、相談、実験を行い、土地や建物の利用に関する情報を提供している。こうした異なる機能を複合的に組織しながら、文化的活動だけにとどまらず、実際の都市環境の向上に貢献しようというのがねらいである。(レポート:ソフィー・ルレ)
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る
ベルギー 詳細一覧
ブリュッセル・アーキテクチャー・ファウンデーション
ブリュッセル・アーキテクチャー・ファウンデーションは、1986年に設立された財団で、この種の団体としては、ベルギーで唯一のもの。ブリュッセルの中心部にある、もともと発電所だった建物を改造したビル内にある。非営利団体であるため、運営は個人や企業からの寄付によっている。財団は広く一般に開かれており、人々が自由に出会い、建築について考え、議論できる場となっている。都市の再生プロジェクトの受賞作品の展示や、レオン・クリエの住宅プロジェクト、ブリュッセルの都市計画、8人の写真家による都市空間の写真展などがある。
『世界の建築美術館・ギャラリー』(TN プローブ、1996年)より抜粋・編集
リンク集に戻る